「ツリーハウス・ギャラリー」での ぜいたくなコーヒータイムを満喫したふたりは、 再びお天気の良い広場へ出ました。 いままで自分たちがいた小屋を眺めて、 そのすばらしさを讃えています。 |
|
まず構造がすばらしい。 | |
すばらしい。 | |
木の上に家を乗せるのではなくて、 こう、包み込むように、ね。 |
|
ね。 | |
「東北ツリーハウス観光協会」は、 いまも着実に活動を続けています。 |
|
100個つくるんですよね。 | |
そういうプロジェクトとしてはじまりました。 100できたらすごいだろうなぁ‥‥。 |
|
ぜんぶでコーヒー飲みますか(笑)。 | |
いいですね(笑)。 ‥‥さて(立ち上がる)。 |
|
さて(立ち上がる)。 ぼちぼち、帰りますか。 |
|
ええー。 もうちょっといましょうよ。 せっかくお天気もいいんだから、 もうひと遊びしましょうよ。 |
|
もうひと遊び(笑)。 なにをします? |
|
ええとね、これをね(リュックを開ける)、 持ってきました。 ちょっと待ってくださいね‥‥ (リュックから出す)これです。 |
|
‥‥凧。 | |
連凧です。 | |
山下さんはどうしてそんなに 凧をあげたがるんでしょう。 |
|
そういえば5年前にもあげましたね。 | |
あのときは あんまりあがらなかったですけど。 |
|
今度こそちゃんとあげましょう。 福田さんがあげてください。 気仙沼の空とつながってください! |
|
わ、わかりました。 | |
じゃあ、はい、糸を持って。 そしたら、するするとのばして‥‥。 |
|
こうですか。 | |
そうそう、じょうずじょうず。 | |
走っていいですか。 | |
福田さんのタイミングでどうぞ。 福田さんが走ったら、 ぼくはパッと放します。 |
|
じゃあ、行きます。 せえのぉ‥‥(駆ける)。 |
|
ほい!(パッ) | |
タタタタタタタタタタ‥‥(駆ける)。 | |
走ってる走ってる。 | |
タタタタタタタタタタ‥‥(駆ける)。 | |
タタタタタタタタタタ‥‥(駆ける)。 | |
タタタタタタタタタタ‥‥(戻ってくる)。 ぜえぜえ、はあはあ‥‥。 |
|
まったくあがらないですね。 | |
か、風が、風がぜんぜんありません。 無風です。 |
|
うーーーん、残念。 今度こそ高くあげたかったのに‥‥。 仕方ない、あきらめます! (凧をリュックにしまう) |
|
むー、ちょっとくやしいですね。 | |
でも福田さん、安心してください。 もしも風がなかったときのことを考えて、 そのとき用の遊び道具も持ってきてますよ。 |
|
風がないときの遊び道具。 | |
(リュックから出す)これです。 | |
シャボン玉。 | |
そうですシャボン玉です。 シャボン玉を吹きましょう。 |
|
わかりました。 | |
いきますよぉ‥‥。 ふーーーーー(吹く)。 ‥‥あれ? ふくらまない。 |
|
ぷーーーーー(吹く)。 | |
おお、福田さん! | |
ぷーーーーー(吹く)。 | |
すごいすごい福田さん! | |
ぷーーーぷぷーーー(吹く)。 | |
わははははは、すごーい! | |
ぼくらのまわりをシャボン玉が漂っています。 | |
ぷーーーーー(吹く)。 | |
‥‥楽園感がすごい。 | |
ぷーーーーー(吹く)。 | |
ああ‥‥世界が変わった感じがする。 | |
‥‥メルヘンの世界。 | |
よーし、ぼくも負けずに吹きますよー。 ふーーーーー!(吹く) |
|
おおーー。 | |
やったーー! すごーーーい。 | |
(このとき、ふいに一陣の風が) | |
風 | ぶわああああああーーーー! |
うわあ! | |
風だ! | |
風だ! | |
シャボン玉を吹き飛ばす、 | |
風だ! | |
風だ! | |
これだけ強い風が吹いてきたということは、 山下さん。 |
|
いけますね。 | |
凧があげられます。 | |
あげましょう。 気仙沼の空とつながりましょう! |
|
風 | ぶわああああああーーーー! |
いそがないと。 | |
いそぎます、この風を逃さないように! | |
さっきの連凧を! はやく! | |
わかりました! (身軽にリュックへ駆け寄り、中から連凧を出す) 連凧よ、再び出番だ! ‥‥ん? これ、からまってるな。 |
|
はやく! | |
ま、待ってください。 ええと、これがこうなってるから‥‥。 |
|
こいつを、いったんこっちにくぐらせて‥‥ こっちをこっちに戻して‥‥。 |
|
ああ! この、 オレンジのびらびらがじゃまだなあ! |
|
はやく! | |
もう、無理だこれはっ!!! | |
山下さん‥‥。 | |
かんぜんにからまってしまいました。 | |
風がおさまってしまいました。 | |
‥‥福田さん(時計を見る)、 からまった糸と格闘してるうちに、 気がつけばもう、 電車の時間が近づいています。 |
|
たのしい時間は、あっという間ですね。 | |
うー、帰りたくない(笑)。 | |
なごりおしい(笑)。 | |
また風が吹くかもしれないしなぁ。 | |
そうですけど、でも、 まあ、また来ましょうよ。 |
|
‥‥そうですね。 | |
こんどは空高くあげましょう、凧。 | |
はい。 この場所はなくならないですし。 |
|
来ましょう。 | |
きっと、またね。 | |
はい。 | |
ありがとうございました、福田さん。 そしてサユミちゃんも、 運転と撮影をありがとう。 |
|
サユミちゃん、お疲れさま。 | |
お疲れさま、サユミちゃん。 ずっと、ありがとう。 ‥‥じゃあ、帰りますか。 |
|
帰りましょーー! | |
ここから下は、現在です。 | |
というわけで、 現在は2020年の6月です。 |
|
たのしかったですね。 一年前のことなので、 忘れてたこともずいぶんありました(笑)。 |
|
徳仙丈のツリーハウスをあとにしたぼくらは、 サユミちゃんに車で 気仙沼駅まで届けてもらって、 そこからは大船渡線で帰りました。 |
|
一ノ関で新幹線に乗り換えて東京へ。 | |
なのですが、実は寄り道をしたんです。 | |
そう。大船渡線を途中下車しました。 「千厩(せんまや)」という駅で。 |
|
福田さんのおしりあいが、 喫茶店をひらいていると聞いて せっかくなので立ち寄ろうと。 |
|
ぼくもこの日にはじめて行ったんですよ。 | |
そうでしたね。 「珈琲 樂(うた)」というお店です。 |
|
いいお店でした。 | |
立ち寄ってよかったです。 なにげにこの看板、 谷川俊太郎さんに 書いていただいたそうで。 |
|
ねえ、びっくりしました。 | |
こちらが店主の佐藤勝正さんです。 | |
福田さんは、 どういうご縁で佐藤さんとお知り合いに? |
|
連絡をいただいたんです。 佐藤さんは 「東北楽天ゴールデンイーグルス」の 岩手応援団の会長をされてて、 応援団の旗をデザインしてほしいと。 |
|
そうでしたそうでした。 | |
▲あとで佐藤さんが送ってくれた写真。福田さんの絵が野球の旗に! |
|
▲右の佐藤さんの身長が175センチ。おおきい旗! |
|
この日はひさびさのご対面で。 | |
そうでしたね。 | |
お話をうかがって、 びっくりしましたよ。 なんとこのすてきなお店は、 「カッパとウサギのコーヒーさがし」が きっかけでうまれたのだと。 |
|
ほんと、 申し訳ないというかなんというか‥‥。 |
|
ぼくらのコンテンツを読んで、 コーヒーに興味を持って、 それまでのお勤めを辞めて‥‥ |
|
そこがすごいのでもういっかい言います。 「お仕事を辞めて!」 |
|
このお店をひらいたと。 | |
えらいことです。 | |
コーヒー、おいしかったですね。 | |
きれいなコーヒーでした。 | |
福田さんが来たことを佐藤さんは、 ほんとうによろこんでいました。 |
|
ありがたい。 | |
喫茶店の本棚には、福田さんの作品集が。 | |
ありがたいとしか言えません。 | |
‥‥なのに、ここでも福田さんは。 | |
流れです、流れ(笑)。 ここはやはり似顔絵かなと。 |
|
佐藤さんがよろこんでくれたので セーフでした。 |
|
佐藤さん、ありがとうございました。 また、コーヒーを飲みに行きます。 |
|
またね、行きましょう。 | |
行きましょう。 そうしてこのあとぼくらは 一ノ関駅に向かい、新幹線で東京へ。 |
|
いろいろあって、 1年後の、現在に至る。 |
|
はい。 このおしゃべりが記事になるころには 東京のTOBICHIで、 延期になっていた 福田さんの原画展が開催されているはずです。 |
|
よろしくお願いします。 | |
もしかしたら似顔絵のイベントを やっているかもしれません。 |
|
や、それはどうだろう。 ぼくは賛成しないかもしれない。 |
|
ま、もしも似顔絵のイベントをやっていたら 今回の連載をよく読んだ上で お申し込みください、ということですね。 |
|
‥‥やるきでしょう。 | |
さあて!(ごまかす) みなさま、お別れの時間です! |
|
終わりますか。 | |
終わります。 でも、最終回ですとは 言わないほうがいいですよね(笑)。 |
|
そうですね(笑)、 また、 のこのこ登場するかもしれませんし。 |
|
はい(笑)。 最後まで読んでくださった方、 ありがとうございました。 |
|
ありがとうございました。 | |
福田さんとぼくは、 これからもきっと いっしょになにかをやるんだと思います。 |
|
そんな気がします。 | |
なにかがあるときには、おしらせします。 そのときまで。 またね! |
|
またねー! | |
(終わります。ありがとうございました。またね。) |
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|
||||
|